薬剤師だから知っている。3分間の薬と健康の裏情報

漢方薬局の薬剤師による健康に関するコラム集です。

隠れ脳梗塞と40代

脳梗塞の初期症状ではしびれが出ることも


「隠れ脳梗塞」と40代

(1)隠れ脳梗塞とは

脳梗塞というと、高齢者の病気と思われがちですが、最近の医療技術の進歩によって、40代といった若年層にも、脳梗塞の危険な兆候が見つかるようになってきました。その危険な兆候とは「隠れ脳梗塞」です。「隠れ脳梗塞」とは、なんらかの原因で、髪の毛よりも細い脳の血管が詰まり酸素と栄養の補給が絶たれて、狭い範囲の 細胞が死滅する、ごく軽い脳梗塞のことをいいます。ほとんど症状がなく、無症候性脳梗塞ともいわれます。

 

(2)隠れ脳梗塞を放置するのは危険

「隠れ脳梗塞」はほとんど無症状ですので、一見「たいした問題ではない」と考えがちですが、以下の点が問題となります。
A.知らないうちにあちこちに「隠れ脳梗塞」が起こり、ついにはボケ(痴呆)になる場合もあること
B.「隠れ脳梗塞」ができやすい生活を続けていればやがて太い血管でも脳梗塞が起こる危険性は高くなるということ。
実際に、本格的な脳梗塞を起こした人の脳を調べると、約9割の方に微小脳梗塞が認めれたとのことです。

 

(3)隠れ脳梗塞は40代から急激に増える

そして、「隠れ脳梗塞」は、高齢者ばかりでなく、40代・50代と比較的若い世代にも多く見つかっているとのことです。
30代では、1~2%程度ですが、40代になると30%と急激に増えてくることがわかっています。 
50代では50%、60代では70~80%、70代では80%以上と、どんどん増えてきます。ですから、「まだ若い自分には脳梗塞なんて無関係」とは言えないのです。

 

 

「隠れ脳梗塞」になりやすい人

(1)手の指をあまり使わない人

手は「第二の脳」といわれるほど、脳と密接に結びついている部位です。脳の感覚中枢や運動中枢の中で、最も広い部分を占めているのが、手の指を支配する領域なのです。 指をよく使う人はそれだけ脳
をたくさん使い、脳の血流が活発になっているものと考えられています。料理・裁縫・手芸・など、日常生活で積極的に指を動かすようにしましょう。

 

(2)うつ状態・ 家にこもりがちな人うつ状態の人

「隠れ脳梗塞」の結果うつになっているのか、あるいはうつが原因で「隠れ脳梗塞」になっているのかは、まだ良く分からない点もありますが、うつ状態の人からは、「隠れ脳梗塞」が見つかるのは確かです。

 

(3)タバコを吸う人

タバコのニコチンには血管を収縮させる強い作用があり、動脈硬化を進め、「隠れ脳梗塞」の原因になります。 喫煙は、「百害会って一利なし」なのです!

(4)高血圧・高脂血症・糖尿病の人は要注意!
これらの病気は、脳の動脈硬化を促進して、「隠れ脳梗塞」を引き起こす危険があります。こうした病気のある人は、生活習慣を見直しましょう。

以上、今回の内容でした。

セルフメディケーションって何?

規則正しい生活習慣を心掛けよう

セルフメディケーション(Self-medication、自己治療)のポイント


私たちの身体には、病気を予防したり、病気から回復するための力、すなわち「自然治癒力」が備わっています。薬は、体力を回復さる病気の原因を取り除く、症状をやわらげる、自然治癒力を助ける、などして健康を取り戻すのに役立ちます。一般用医薬品(市販薬)を上手に利用するセルフメディケーションにより、軽度な体の不調は、自分で手当てすることが可能です。 そして、症状が改善しない場合には、医療機関を受診する


◎日常的な健康管に留意し、規則正しい生活を心がける


もう一つ重要なことは、日ごろからの健康管理に心掛け、健やかな生活を送ることです。不規則な生活や食事や睡眠不足などの不摂生を重ねると、体力や抵抗力が落ち、病気にかかりやすくなってしまいます。また、日頃の不摂生が長い間継続蓄積されると、糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病を発生させてしまうこともあります。日常的な健康管に留意し、規則正しい生活を心がけるとも重要です。

 

◎正確な知識を持つ ~ 専門家を活用しましょう


不十分な知識によるセルフメディケーションでは、悪い結果を招くことも考えられます。的確な薬を正しく使用するには知識が必要です。分からないことがあったら、薬剤師や登録販売者などの専門知識を持った者に相談しましょう

以上、今回の内容でした。


─[プロフィール]─────────────────[プロフィール]─
■長澤 昭(ながさわ あきら)1952年 静岡県生まれ
1980年に薬局を創業。
2000年、毎日新聞アミューズ」に、「漢方薬に詳しい薬局」として、
全国わずか35店のうちの1店として取り上げられる。
2001年、約300の病名・症状別の「病気別漢方選薬システム}を完
成させる。

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□注意・免責事項
◎一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用していません。医学
的な専門性から考えた場合、妥当でない表現があると思いますが、なるべく
平易な表現を使用するようにしてあります。
◎個別の健康相談を行うものではありません。
◎体の状態は個人によって異なっています。現在治療中の方はかかりつけ
の主治医と相談をしてください。
◎ご自分の責任の範囲でご利用ください。記載内容を利用し生じた結果に
ついて、当方では責任がとれませんのでご了承ください。


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薬剤師だから知っている。3分間の薬と健康の裏情報
発行者:漢方の健康堂薬局
発行責任者:長澤昭

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高齢者は、肉や油脂などを積極域に食べよう。低栄養食は 認知症のリスクを高める

高齢者は、肉や油脂などを積極域に食べよう

 

漢方の健康堂薬局の店主 長澤昭と申します。


低栄養食は認知症のリスクを高める
高齢者は、肉や油脂などを積極域に食べよう。

上記テーマに今回は高齢者におすすめの食事について述べていきたいと思います。


(1)貧血を予防する食事

食事で鉄分をしっかりとることに心掛けることが一番重要です。
鉄には、主に肉・魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品や卵・乳製品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類がありま
す。ヘム鉄は吸収率が良く、非ヘム鉄は吸収率が低いという特徴があります。非ヘム鉄は、タンパク質とビタミンCを多く含む食品と
一緒に食べることで、吸収率をアップさせることが出来るといわれています。ですので、栄養バランスの良い食事に心掛けること大切です。

◎鉄分を多く含む食品
肉・レバー・赤身の魚(カツオ、ブリなど)・貝(シジミ、アサリなど)・ひじき・緑黄色野菜(小松菜、ほうれん草、大根の葉、水菜、春菊など)

たんぱく質たんぱく質は、ヘモグロビン(血色素)の構成要素です)
肉・卵・魚・大豆、大豆製品(納豆、豆腐、おからなど)・牛乳、乳製品(ヨーグルト、チーズなど)

◎ビタミンC(鉄の吸収を促進します)
果物(かき、キウイ、いちごなど)・緑黄色野菜(ブロッコリー、ピーマン、カブ・大根の葉など)・いも(じゃがいも、さつまいもなど)

 

(2)HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす方法

◎HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすことはなかなか難しく、現在できる対策は、禁煙、運動不足、肥満の解消だと言われています。

◎食生活では、中性脂肪の値を適正にすることです。中性脂肪値とHDLコレステロール値には、シーソーのような関係があります。HDLコレステロールを増やすには、血液中の中性脂肪を減らすことが重要です。

◎食事のポイント。食べ過ぎで余ったエネルギーは中性脂肪になり、その一部は血液中の中性脂肪になります。腹八分目を心がけていきましょう。
また、糖分は摂り過ぎると中性脂肪になります。砂糖などを使った食品の食べ過ぎに注意しましょう。果物には果糖が多く含まれています。果物も糖質の一種です。食べ過ぎないようにしましょう。

 

(3)アルブミンを作る食品

肉・卵・チーズやヨーグルトなどの乳製品・豆腐や納豆など大豆たんぱく・魚などのたんぱく源を、バランス良く食べることが、
大切です。
またアルブミンを作るには、ビタミンやミネラルが必要です。野菜や海藻類を摂ることにも留意しましょう。


(4)高齢者にとって良い食事とは

高齢になると食が細くなり、調理も面倒にり、単調な食生活となり栄養不足(低栄養)に陥る人も少なくありません。高齢期には、
肉、魚、卵、牛乳、油脂の5食品群を意識してしっかり取るとともに、それ以外の緑黄色野菜や海草類も含め、バランス良い食事とすることが重要です。粗食ではいけません。

コレステロールを心配するより、高齢期ではコレステロールが高い人の方が死亡率が低いということが科学的に証明されていることをお忘れなく。また、高齢者だけでなく、老化が気になるだす50歳代から、こう
した食生活に切り替えるべきだと、私は思います。

以上。


─[プロフィール]─────────────────[プロフィール]─
■長澤 昭(ながさわ あきら)1952年 静岡県生まれ
1980年に薬局を創業。
2000年、毎日新聞アミューズ」に、「漢方薬に詳しい薬局」として、
全国わずか35店のうちの1店として取り上げられる。
2001年、約300の病名・症状別の「病気別漢方選薬システム}を完
成させる。

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□注意・免責事項
◎一般の方向けの内容なので、厳密な医学用語は使用していません。医学
的な専門性から考えた場合、妥当でない表現があると思いますが、なるべく
平易な表現を使用するようにしてあります。
◎個別の健康相談を行うものではありません。
◎体の状態は個人によって異なっています。現在治療中の方はかかりつけ
の主治医と相談をしてください。
◎ご自分の責任の範囲でご利用ください。記載内容を利用し生じた結果に
ついて、当方では責任がとれませんのでご了承ください。

 

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発行責任者:長澤昭

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