「隠れ脳梗塞」と40代
(1)隠れ脳梗塞とは
脳梗塞というと、高齢者の病気と思われがちですが、最近の医療技術の進歩によって、40代といった若年層にも、脳梗塞の危険な兆候が見つかるようになってきました。その危険な兆候とは「隠れ脳梗塞」です。「隠れ脳梗塞」とは、なんらかの原因で、髪の毛よりも細い脳の血管が詰まり酸素と栄養の補給が絶たれて、狭い範囲の 細胞が死滅する、ごく軽い脳梗塞のことをいいます。ほとんど症状がなく、無症候性脳梗塞ともいわれます。
(2)隠れ脳梗塞を放置するのは危険
「隠れ脳梗塞」はほとんど無症状ですので、一見「たいした問題ではない」と考えがちですが、以下の点が問題となります。
A.知らないうちにあちこちに「隠れ脳梗塞」が起こり、ついにはボケ(痴呆)になる場合もあること
B.「隠れ脳梗塞」ができやすい生活を続けていればやがて太い血管でも脳梗塞が起こる危険性は高くなるということ。
実際に、本格的な脳梗塞を起こした人の脳を調べると、約9割の方に微小脳梗塞が認めれたとのことです。
(3)隠れ脳梗塞は40代から急激に増える
そして、「隠れ脳梗塞」は、高齢者ばかりでなく、40代・50代と比較的若い世代にも多く見つかっているとのことです。
30代では、1~2%程度ですが、40代になると30%と急激に増えてくることがわかっています。
50代では50%、60代では70~80%、70代では80%以上と、どんどん増えてきます。ですから、「まだ若い自分には脳梗塞なんて無関係」とは言えないのです。
「隠れ脳梗塞」になりやすい人
(1)手の指をあまり使わない人
手は「第二の脳」といわれるほど、脳と密接に結びついている部位です。脳の感覚中枢や運動中枢の中で、最も広い部分を占めているのが、手の指を支配する領域なのです。 指をよく使う人はそれだけ脳
をたくさん使い、脳の血流が活発になっているものと考えられています。料理・裁縫・手芸・など、日常生活で積極的に指を動かすようにしましょう。
(2)うつ状態・ 家にこもりがちな人うつ状態の人
「隠れ脳梗塞」の結果うつになっているのか、あるいはうつが原因で「隠れ脳梗塞」になっているのかは、まだ良く分からない点もありますが、うつ状態の人からは、「隠れ脳梗塞」が見つかるのは確かです。
(3)タバコを吸う人
タバコのニコチンには血管を収縮させる強い作用があり、動脈硬化を進め、「隠れ脳梗塞」の原因になります。 喫煙は、「百害会って一利なし」なのです!
(4)高血圧・高脂血症・糖尿病の人は要注意!
これらの病気は、脳の動脈硬化を促進して、「隠れ脳梗塞」を引き起こす危険があります。こうした病気のある人は、生活習慣を見直しましょう。
以上、今回の内容でした。